コラム

2016.4.15 ( Fri )

卒業生との再会に成長の姿を見る

こんにちは。大学事務局長の吉田です。

昨日(4/14)は、長野県の高校で2年生全員に講演をしてきました。
昨年1年生だった時にも呼んでいただき、好評だったようで2年続けてお声がけいただきました。

普通高校の学年全体に、芸術大学にお声がけいただけることは非常に嬉しいことで、
芸術に対するイメージも、このような機会で書き換えたいなといつも思いながら話をしています。
そう考えると、こうして継続して呼んでいただけることが何よりですね。

さて、前日にTwitterで、「明日長野の高校に講演に行きます」と書いたら、
とある卒業生から、「僕も聞きに行っていいですか?」と連絡が入り、当日高校の正門前で待ち合わせ。

大学を卒業し、地元の長野に帰ってケーキ屋をやっている卒業生。
1年ぶりの再会でした。

再会できたことも嬉しかったのですが、
それよりも嬉しいことがありました。

それは、講演前後の出来事。

250人の生徒を対象に、ワークショップも交えながらの講演をするのですが、
どうしても、プリントが足りない(回ってこない)、ペアが作れない、
などいろいろな状況が現場では生まれます。

すると、その彼が、会場を見渡して、
プリントが足りない生徒のところまで行き、配布したり、
ペアが作れない生徒を見つけて、「一緒にやろう」とすぐに入っていったり、
講演後も、私のところに質問にたくさんの生徒が来ている間に、
会場の後片付けを済ませてくれていたり。

その「観察力→判断力→行動力」が素晴らしく、
高校時代から知っているので、「成長したなぁ」と感慨深い気持ちになりました。

簡単そうに見えて、実は誰でもできることではないんですね。
年間多くの学校で講演しますが、同じ状況はどこまで生まれます。
でも、その学校の先生は、その現象すら気づかず、何もされないケースがよくあります。

しかし、彼は初めての場面で、
現場で起こっている問題をすぐに見つけて、すぐに動ける。

「さすが芸大生」と思いながら、講演をしていました。

講演終了後も、彼に対する高校の先生方の評価も高く、
そのことも嬉しかったですね。

帰り際に、電車の時刻までコーヒーを一緒に飲んだのですが、
「大学時代に学んだことが、本当に今も残っていて、行って良かったです」
と彼が言ってくれました。

その一言で、思わず涙ぐみそうになった出来事でした
 
執筆者
吉田 大作
京都造形芸術大学 事務局長

1年間に100本以上の講演依頼を受け、毎年国内外の2万人の高校生・大学生に講演を行う。
大学では、全13学科21コースの学生を対象とした『キャリアデザイン』の授業を担当。
日本で最も高校生や大学生に直接講演をしている大学関係者」と数えられる。
その過程で得られた国内外の教育の現状やキャリア指導の視点から、日本の教育環境に対して様々な問題解決の提言を行っている。
全国各地の高校から、「進路を検討する前に考えておくべきこと」「プレゼンテーションの鬼」「コミュニケーション」「問題解決ワークショップ」などの進路講演の依頼を受ける他、教員向けの研修、保護者向けの講演、なども多数行っている。

 

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